序文

自ら創業したテクノロジー企業のために三十年以上あくせく働いてきた私は、執筆する余裕など無く、執筆経験もありませんでしたが、仕事で世界各地を訪れる中、各国で上昇し続ける離婚率、無数の仮面夫婦の存在、そしてそのほとんどは性生活が上手くいっていない事が原因であることに気づき、これまで見聞きした事を小説にすることで、後人に気づきを与えたいという衝動的な思いが芽生えました。

その後、会社が上場したことをきっかけに仕事をリタイアし、時間に余裕ができてやっとこの思いを実現する時が来ました。数えてみると、この思いが芽生えてから小説が完成するまで、十年間も先延ばしにしてきました。

しかし、先延ばしにしたからこそ、十年間の幅広い見聞により、小説の内容はさらに豊かになり、特にリタイア後、生活のストレスが無くなって自由に執筆できたことで、執筆中もより余裕を感じられ、その心地よさは格別に有意義なものでした。

この小説で伝えたいのは、素晴らしいセックスは幸せをもたらし、単なる肉体的、感覚的なものに留まらず、精神の安定、喜び、感情面での充足感をももたらしてくれる、ということです。肉体、精神、感情の三つ全てが満たされることでもたらされる幸福感こそが、結婚生活を持続させる基本なのです。ある人類学者が「セックスは生命の源であるだけでなく、人類の幸福の源である」と述べ、セックスと円満な結婚生活は密接に関係していることを示しています。


素晴らしいセックスについて、本書では「思いやりのセックス」と呼んでおり、そこで述べられている前戯や愛撫は一般的な愛撫とは全く異なります。それはパートナーの心に深い感動を与え、肉体、精神、感情の三つを同時に満足させることができるセックスのテクニックです。これを理解することで、命の意義や幸せに対する考え方は180度変わり、それまでとは違う素晴らしい人生を歩みだすことができます。さらには一生における心と体の健康や幸せにまで影響を及ぼすことでしょう。

そのため、虚しさ、不安、落ち着かない、或いは精神的緊張、地に足がつかない、憂鬱、さらには仕事が忙しいといった幸福感が欠乏した現象は全て、素晴らしいセックスによって幸福感を取り戻すことで、回避することができるのです。

調査によると、夫婦間でセックスの時間も興味もなかったり、自己満足のセックスに終始していたりする問題、そして早漏といった現象は、夫婦の不和の主な元凶であることが明示されています。これは夫婦間にセックスという形でのコミュニケーションが不足していることを反映しており、素晴らしいセックス(以下、「思いやりのセックス」と表現します)が幸せな結婚生活においていかに重要であるか理解されていないことが残念でなりません。特に早漏に悩んでいる方は、思いやりのセックスで症状を補うことができます。それを知らずに機会を失ってしまうというのは実に残念なことです。

それだけに留まらず、一部の現代人はセックスに対する理解が乏しく、本当に必要なのは思いやりのセックスであることに気づいていません。さらに残念なのは、満足できない寂しいセックスの中で懸命にもがき、いつの間にか「もっと満足できるセックスはないか」という深みにはまってしまうことです。


今日の社会は暴力的で殺伐とした空気に満ち、政治の世界では激しい争いが繰り返され、躁鬱、憂鬱に陥る人はますます増え、独身率(離婚または配偶者の死別による)は過去最高を記録しています。すでにこういった不安や混乱の現象を法律の制約や道徳的な説得で解決することは簡単ではありません。実際に足りていないのは幸福感なのです。そして思いやりのセックスは不安を解消し、これらの混乱現象を改善して幸福感を取り戻す素晴らしい方法です。

「思いやりのセックス」は恋愛における必修課目であり、愛情の基礎です。思いやりのセックスを習得することで、恋人は「恋愛とは独占することではなく、与えるもの」ということを悟り、パートナーの心変わりを心配する必要もなくなるでしょう。


私のクライアントであるアラン(Alan)は、これまで懸命に努力して金を稼いできた、実に裕福な男です。その彼が私にこう言いました。「男は女性に喜んでお金を使ってもらうために、懸命に働いて稼ぐものだ!」と。彼は妻を心から愛していましたが、金を稼ぐことに真剣なだけで、妻を気遣うことはほとんどありませんでした。セックスでさえ、自分が満足して性欲を発散させることしか考えず、妻の気持ちを全く考えていませんでした。妻は単なる性欲のはけ口にされていると思い、快感も一切感じることはありませんでした。物質的には裕福でも、肉体、精神、感情はいずれも空っぽで、少しも幸せを感じることはなかったのです。彼に心中を打ち明けたものの、彼は妻の心情を理解できないどころか、裕福な生活ができているのにそんな風に愚痴を言うべきではないと言うばかりでした。

夫からセックスによる心の癒しを得られず、鬱々とした妻は、「結婚生活で衣食に困ることもなく、家庭内暴力や浮気もない。指摘するような過ちこそないが、毎日がまるで生ける屍のよう。何の楽しみもなく、こんな風に一生を過ごして何の意味があるのか?結婚とはただ子供を産み、一生を子育てに費やして年老いていくだけなのか?」と頭を抱えました。

そんな一生など、あまりに無意味だと思いながら、どうすることもできずにいました。結局、彼女はやるせない気持ちを抱えたまま、外に出て自分の幸せを見つけてみるしかありませんでした。

そんな中、あるイベントで彼女は一人の男性に出会いました。平凡な容姿で、他にも様々な点で夫のアランに劣っていましたが、唯一、アランに勝っていたのは彼が親切で話し上手だったことでした。彼と楽しく話しているうち、彼女は自分が大切にされている、自分に価値があると感じることができるようになったのです。二人は話しているうちに次第に強く惹かれ合い、ついに体を重ねました。数回の情事を経て、その男性から思いやりのセックスのテクニックを経験した彼女は、肉体、精神、感情の全てが満たされ、ずっとその幸福感に浸っていたいと思うようになりました。

二人の関係に気づいたアランは、男性と分かれるよう要求しましたが、彼女にきっぱりと断られました。思いもよらない反応に驚いたアランは、「もし彼を選ぶのであれば、財産分与の権利も放棄しなければならない」と脅しをかけてまで関係を断ち切ろうとしました。

しかし、彼女は一切ためらうことなくその男性を選びました。全く予想もしなかった結果にアランはひどくショックを受けました。あんなに優しくて家庭的で、今まで一度も自分を困らせたことなどなかった妻が、こんな風にすんなり別の男を選んだことが理解できなかったのです。

法律は結婚を保障できても、幸せを保障することはできません。幸せを感じられなくなった時、婚姻関係はやはり時と共に薄れ去っていくものなのです。思いやりのセックスの重要性は、このエピソードからも明らかです。もしアランがもっと早いうちに思いやりのセックスを理解していたら、妻は幸せを感じることができたはずで、決してこんな結果にはならなかったでしょう。多くの不倫も、実はこれと同じことが原因となっています。家の中で妻が何ひとつ文句を言わないからといって、何もかもが平和で、何の問題もないというわけではありません。まだその時が来ていないというだけのことです。

言うなれば、幸福感だけが一夫一婦制の結婚を維持させ、結婚を人生の墓場にさせない唯一の方法であり、幸福感さえあれば浮気の心配もないのです。そして、その全ては素晴らしいセックスの上に成り立つものなのです。


だからこそ、セックスをタブー視したり、軽視したり、色眼鏡で見たり、セックスはいやらしいもの、汚らわしいもの、恥ずかしいものとすることは不健康な考え方なのです。

古くから、世界の有名な文学作品においても、セックスの描写は無くてはならないもので、決して卑猥な表現という訳ではありません。本書をお読みいただく時も、どうかそういった偏見を捨て、「素晴らしいセックスを追求し、幸せを手にするには」という視点でお楽しみいただければ幸いです。

そして本作が、未婚・新婚を問わず様々な方のメンターとなり、またセックスに悦びを感じられない方、結婚に何も感じない方にとっての救世主となることを期待しています。

全ての夫婦、恋人たちが本書を通して、大切な気づきを得て、セックスに関する話題をオープンに語り、心がぱっと明るくなって、笑顔あふれる幸せで円満な人生を歩んでいけることを願っています。

共著者募集

この小説は複数の作者により共同で執筆されました。エロチシズムについて独自の見解や経験を持つ方と共に、引き続き三部作、四部作を執筆したいと考えています。興味のある方はぜひご連絡ください。

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